雑魚寝の自衛隊員たちPhoto by RIE OGASAWARA

新型コロナウイルスの感染者が急増している自衛隊。国防や災害派遣、集団生活の現場ではソーシャルディスタンスをとるにも限界があり、自衛官は常に危険と隣り合わせだが、そんな彼らを最も苦しめるのが「貧困」だという。各媒体で人気の「連載コラム」の著者に聞くシリーズ、第1回はWEB媒体『日刊SPA!』(扶桑社)で連載中の「自衛隊ができない100のこと」の筆者・小笠原理恵さんだ。(フリーライター 岡田光雄)

右派でも左派でもなく
読者層は一般人

 自衛官といえば国防の要だ。彼らの待遇について、読者の中には「どうせ公務員なんだから高い給料もらっているんでしょ?」と思う人がいるかもしれないが、「自衛隊ができない100のこと」ではそんな幻想を見事に打ち砕いている。彼らの待遇は、ブラック企業の経営者が青ざめるほど悲惨なものだった。

 最初に「自衛隊ができない100のこと」について説明すると、特徴的なのが読者層だ。一般的に、国防をはじめ「自衛隊」に関心を寄せるのは右派で、「労働問題」は左派というイメージが何となくあるだろうが、実態は大きく異なるという。