市場は電気自動車(EV)に夢中になっている。ただし、以前から自動車を製造するメーカーのEVでないなら、という話だが。この難問を解決するのは、ゼネラル・モーターズ(GM)にとって簡単なことではない。テスラの時価総額は17日、11%上昇し過去最高の3420億ドル(約36兆円)に達した。1人のアナリストが目標株価を引き上げたこと以外、明らかな原因はなかったものの、イーロン・マスク氏率いるテスラにこうしたことが起きるのは投資家も慣れている。それより異例なのは、GMの株式が約8%上昇し、値動きが荒かった4月以来で最大の上げとなったことだ。GMが同社のEV事業をスピンオフ(分離独立)させ、テスラの競争相手となり、テスラ同様のバリュエーションを得ることのできる別の事業体にする可能性があるという観測が広まりつつある。ドイツ銀行のアナリスト、エマニュエル・ロスナー氏は14日、スピンオフした場合の企業価値に関してかなり高い額を示した。GMはこの議論にまだ結論を出していないが、こうした観測はこの夏、テスラの株価と歩調を合わせて強まっている。