中国のフィンテック大手アント・グループは年内に実施予定の新規株式公開(IPO)で時価総額が途方もなく大きな水準に達し、IPO時の時価総額として世界の上場企業トップに立つ可能性が高い。電子商取引大手アリババグループ創業者で富豪の馬雲(ジャック・マー)氏が率いるアントは数日中に、長年にわたり守られてきた重要な秘密を明らかにするかもしれない。その秘密とは、同社がいかにして収益を上げているかだ。事情に詳しい関係者によると、香港と上海での大規模な重複上場を準備しているアントは、両証券取引所へ今週中に上場書類を提出し、10月までに上場を目指すプロセスを開始する計画だ。アントの上場は上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(スター)」にとって大きな追い風となる。科創板は昨年、国内のハイテク企業の上場を促すために創設された。アントは取締役会刷新からちょうど1年を経た頃、IPO計画を発表した。科創板では断トツの時価総額となる見通しで、内情を知る関係者によると、上場計画には「プロジェクト・スター」というコードネームがつけられている。