ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が突然謎の体調急変に見舞われ昏睡(こんすい)状態となったことは、ロシアの野党勢力にとって打撃となった。ロシア政府が反体制派根絶の取り組みを強化する中で、野党勢力の未来に疑問が生じている。ナワリヌイ氏は先週、空港でお茶を1杯飲んだ後、シベリアからモスクワに向かう機内で体調が急変した。同氏の支持者らは、お茶に毒が混入されていたと主張している。ナワリヌイ氏は22日、ベルリンの病院に移送された。ドイツの医師らは、ナワリヌイ氏の状態や、推察される体調急変の原因について明らかにしていない。ロシアの最も有力な反体制派リーダーを退場させた今回の出来事は、反体制運動の危機を象徴している。反体制派は長年にわたって脇に追いやられ、求心力を高めるために苦闘していた。反体制派を活性化したナワリヌイ氏の成果の一部は、彼が死亡したり再起不能になったりしても残り続けるかもしれないが、アナリストらは、リーダーを失えば反体制運動は骨抜きにされると見ている。