「いくつかの人材紹介会社に登録した後、携帯に迷惑メールが送られてくるようになって、ワンルームマンションを買いませんか?という勧誘も増えました。人材紹介会社は人の出入りが激しいから、個人情報を持ち出して、新たな人材紹介会社を始めることもあるんですね」

 一口に人材紹介会社といっても、「玉石混交」だとAさんは言う。

ついに9月に就職先が決定
支えは親戚ではなく“近くの他人”

「年齢に関係なく、やり直しのきく社会」というのは難しい。しかし、Aさんは「年齢相応にやり直しのきく社会」 を実現させたいと訴える。

 Aさんは、300社以上応募し続けた末、この9月、ようやく就職先が決まった。肉体的にハードな仕事を求められるシンクタンクだ。

 しかし、「これからの自分の人生に、意味や希望があるのかな…」と懐疑的だ。

「私の周囲には、専業主夫をしていたり、 専業主婦の妻と子どもがいるという“昭和的”家族構成の人が多く、結婚していない自分は、例外的存在で肩身が狭いんです」

 Aさんには、すでに帰るべき故郷はなく、生活のために郊外に購入していた持ち家も売却。“家”がなくなって、永遠のアウェイゲームを続けることに疲れたことも大きいという。

「再就職活動で役に立たなかったのはハローワークと親戚」

 と言い切るAさん。意外だったことは、「初めて会った人の親切や、心の暖かさだった」という。

 “遠くの親戚より、近くの他人”という言葉もあるとおり、いまの時代、頼りになるのは、身近なコミュニティなのかもしれない。

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