中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)は開発中の新型コロナウイルス予防ワクチンを巡り、安全性と有効性に関する大規模な臨床試験の完了前に使用する緊急承認を得るため、複数の国と協議している。同社幹部が明らかにした。このワクチンは中国軍と共同で開発されている。初回の投与は医療従事者や軍関係者、警察官などエッセンシャルワーカーに行われる公算が大きいものの、早期供給が実現すれば、臨床試験以外で国際的な一般利用が始まる初のワクチンとなり、同社は競合他社に一歩先んじることになる。こうした取り組みはワクチン開発の先頭争いの激しさを示すものだ。ただ、大規模治験の完了前に多くの人々に予防接種をすれば、深刻なリスクをもたらす恐れがあると公衆衛生専門家は懸念している。