――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
フランスの高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは貴金属・宝飾品大手の米ティファニー買収を撤回するにあたって、ハイリスクな理由を選んだ。政治情勢を理由として160億ドル(約1兆7000億円)規模の買収提案を白紙に戻すとしており、LVMHにとって他に持ち札がなかったことがうかがわれる。
欧州一の富豪ベルナール・アルノー氏が保有するLVMHは9日、フランス政府から先週、ティファニーの買収完了を1月まで先延ばしするよう求める書簡を受け取ったと明かし、従う以外になかったと述べた。これにより、11月に期限を迎える現行条件での買収は実質的にご破算となる。LVMHは期限を延長しない意向を示した。