将来の旅行のあり方がどうなるか全く見通せない中、民泊仲介サイトの米エアビーアンドビー(Airbnb)が渡航制限で思うように移動できない旅行者の需要をうまく取り込んでいる――今のところはだが。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で、空の移動が事実上、世界的に禁止された4月以降、宿泊施設セクターは当初、ほぼ全滅に近い大打撃を受けたかに見えた。ホテル運営世界最大手の米マリオット・インターナショナルは、4月の販売可能な客室1室当たり宿泊売り上げ(RevPAR)が前年比で9割落ち込んだ。調査会社エアDNAによると、エアビーは3月半ば、宿泊予約に絡み15億ドル(約1600億円)近い損失を出した。同社のブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)は5月、社員宛ての書簡で全体の約25%に相当する人員を削減する計画を明らかにするとともに、2020年売上高は前年の半分の水準にも届かないとの見方を示した。
エアビー復調の兆し、持続するかは別問題
上場後のエアビーの成功は「旅の未来形」が鍵に
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