ソフトバンクグループ(SBG)を非公開化することは、豪快な行動で知られる創業者の孫正義氏の耳には心地よく響くかもしれない。だが、それは容易に実現できることではない。孫氏の破天荒な投資スタイルは、上場企業の会長としての同氏に向けられる厳しい視線とは相いれないものだ。これを象徴する出来事が最近も起きた。ソフトバンクの株価は先週3日間に10%急落。同社がハイテク株のオプション取引に巨額の資金を投じているとの報道で不安が広がったからだ。ソフトバンクを非公開化すれば、こうしたボラティリティーを排除することが可能になる。孫氏が長らく、ソフトバンクの株価は過小評価されているとの不満を抱いてきた状況ではなおさらだ。過去数年にわたりMBO(経営陣が参加する買収)に関するうわさは度々浮上してきたが、実際にそれが実現することはなかった。
ソフトバンク非公開化、構想に潜む矛盾と難題
株価の押し上げには、もっと簡単な方法がある
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