新型コロナウイルス予防ワクチンの安全性やタイミングを巡り、米国の党派対立が激しさを増している。大統領選に加え、上院選の激戦州でも争点に浮上してきた。このほか政府内からも不協和音が聞こえている。世論調査では、ワクチン接種に関して民主、共和各党の支持者の間で見解に大きな隔たりが生じており、ワクチンを巡る両党の攻防は市民の接種にも影響を与えかねない。ジョー・バイデン大統領候補をはじめ民主党関係者は、ドナルド・トランプ米大統領が選挙までにワクチンを開発するよう政治的に圧力をかけており、徹底した治験を経ていない恐れがあるとして懸念を示している。一方の共和党は、ワクチンの信頼感を低下させることで国民の安全を阻害しているとして、民主党を批判している。