アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ジールは、ホルムズ海峡の入り口にあり、風の強いビーチの左側の地平線には、石油タンカーやコンテナ船、ばら積み貨物船が並んでいる。米国とイスラエルが1カ月以上前にイランとの戦争を開始して以来、ペルシャ湾から出られずにいる。アル・ジールの右側へ目を向けると、わずか40マイル(64キロ)先にはイラン沿岸があるが、紺碧(こんぺき)の海には何も見えない。ホルムズ海峡を通過できる船舶は1日に数隻のみで、戦争前の100隻以上から減少。これらの船舶はイランの領海に迂回(うかい)する航路を取り、同国に多額の通航料を支払っていることが多い。イランは、かつて世界の原油供給の5分の1が通過していたホルムズ海峡を支配しており、米国や湾岸諸国、世界経済に最も大きな影響力を及ぼしている。戦争がイランにとって勝利に終わるかどうかは、何よりもまず、この海峡の支配を維持できるか、そして世界のエネルギー市場に影響力を持ったまま戦争を終えられるかにかかっている。