米国でバイデン大統領が誕生した場合に備えて、中国政府の政策立案者たちは自分たちの選択肢を見極めている。その中で、最も関心が高いと思われるテーマの一つが気候変動だ。民主党大統領候補のジョー・バイデン氏は気候変動のペースを遅らせるという目標を米国の外交政策の中心に据えると繰り返し発言している。民主党の政策綱領によれば、米国はパリ協定に復帰し、地球の気温の上昇を産業革命前の水準からセ氏で1.5度に抑えるための対策を立法化するよう各国に求めるという。中国政府の政府関係者の目標は、バイデン政権内部で議論させることだろう。つまり地球を救うために対中強硬派を抑えるよう、積極的な気候変動対策を求める人々が大統領を説得することである。気候変動と戦う人々はこう言うだろう。気候変動の鍵は中国政府にある、米国が貿易に関して中国に嫌がらせをしたり、中国企業に制裁を科したり、台湾に武器を持たせたり、中国の近隣諸国に反中同盟を構築するよう求めたりしても、地球の気温を下げることに協力するよう中国を説得することはできない――。
【オピニオン】中国に譲歩しても温暖化は止まらず
「バイデン大統領」は対中姿勢の緩和を求められるだろう
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