中国商務省は今週、「信頼できない事業体」リストの完成が近いと発表し、市場に波紋が広がった。中国政府はそうしたツールの活用を慎重に進めているが、それにはもっともな理由がある。米国よりも、中国自身が大きな傷を負うことになるからだ。英金融大手HSBCホールディングスの株価は今週、香港市場で5.1%急落し、25年ぶり安値に落ち込んだ。そのきっかけは、HSBCがリストに掲載されるかもしれないという現地メディアの報道だった。リスト入りした企業は中国との取引や中国への投資ができなくなる。だが、HSBCは欧米版の華為技術(ファーウェイ)ではなく、米企業ですらない。多くの米ハイテク大手は既に中国における事業を制限されているうえ、中国の通信機器大手ファーウェイのように商業・外交政策面の境界をまたいで中国で展開している米企業は比較的少ない。
中国「信頼できない」事業体リスト、もろ刃の剣に
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