ハイテク富豪がひしめく世界で新たに中国一の資産家になった男は、ペットボトルの水を売るという思いも寄らない道を上り詰めた。だがその高みにとどまるのは難事業かもしれない。フォーブスによると、純資産570億ドル(約6兆円)の鍾シャンシャン(シャンの漢字は目ヘンに炎)氏は、インターネットサービス大手テンセントホールディングスの馬化騰(ポニー・マー)会長やアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏を抜いて中国一の富豪になった。今年に入り新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景とするヘルスケア株投資の波に乗ったことも、鍾氏の富に寄与している。同氏が支配株主となっているバイオ医薬品企業の北京万泰生物薬業は新型コロナ感染症(COVID-19)の検査キットを製造している。上海市場で4月に実施した新規株式公開(IPO)以降、株価は2000%余りも上昇し、中国本土の今年の新規上場株で最高のパフォーマンスとなっている。
中国で富豪になる方法:ペットボトルの「水」商売
農夫山泉のIPO成功で鍾氏は頂点に浮上したが、そう長くは続かないかもしれない
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