ドナルド・トランプ米大統領はギャンブラーだ。だが、過去にカジノを経営していたからではない。トランプ氏は29日夜に開催された米大統領選のテレビ討論会で人生最大級の賭けに出た。それが実を結ぶかどうかは極めて不透明だ。初回のテレビ討論会で見せたトランプ氏の超攻撃的なパフォーマンス――対抗馬のジョー・バイデン候補に最後まで質問に答えさせるよう、司会者のクリス・ウォレス氏に3度もたしなめられる場面があった――は、偶然の産物ではない。世論調査で劣勢に立たされている候補者が、最大の攻撃材料を強調することで、大統領選の流れを一変させようとする試みに他ならない。つまりバイデン氏は「大統領になるには弱すぎる」という印象を有権者にすり込ませようとしたのだ。
「いじめ」に賭けたトランプ氏、勝者なき討論会
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