9月は投資家にとって痛い月となった。米国株が下落しただけでなく、ポートフォリオを守るための投資先も値下がりしたためだ。S&P500種指数が9月2日に高値をつけて以降、米国債、金(きん)、ビットコイン、ボラティリティー指数(VIX指数)は全て下落した。このようにヘッジが全く効かないのは異例のことだが、米国債はもはやポートフォリオに安定をもたらさないという見方に投資家は慣れておく必要がある。崩壊したのは資産のリターンを巡る通常のパターンだけではない。株式市場の中だけを見ても、大型ハイテク株の調整によって、損失を最小化するための頼れる方法の多くに狂いが生じた。クオリティーの高い銘柄――底堅いバランスシートと確実な利益を持つ企業――が市場平均以上に値下がりし、中小型株は大型株を上回った。
米株急落時の逃避先、もはや見当たらず
有料会員限定
あなたにおすすめ