――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  ジェームズ・ボンドが今年、映画ビジネスを救ってくれることはない。そして、映画業界は、この不死身のスパイでも解決できない長期的な問題に直面している可能性がある。  今や映画の公開延期のニュースは当たり前のように感じられるかもしれないが、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開が来月から来年4月に延期になったという2日の発表は、特に痛手が大きかった。同作は、映画館運営会社の事業を下支えする可能性があった今年最後の大作だった。映画館チェーンは現在、計画見直しの必要に迫られている。