米民主党が来月の選挙で圧勝するとの観測が足元で米国債利回りを押し上げており、共和党の大勝で利回りが跳ね上がった4年前の記憶を呼び覚ましている。利回りが上昇基調にあるのは、大統領選に関する直近の世論調査で、民主党のジョー・バイデン候補がドナルド・トランプ米大統領に対するリードを広げるとともに、民主党が上下両院ともに過半数を握るとの見方が強まっているためだ。債券投資家にとって、バイデン、トランプ氏のどちらが勝利するかは必ずしも問題ではない。むしろ、いずれかの政党が政府と議会の双方を掌握すれば、減税や歳出増などの政策を通じて財政赤字の拡大につながるとの見方が広がることが大きい。財政赤字の増大が利回りの押し上げ要因になるのには2つの理由がある。1つは政府の借り入れ拡大が国債増発を招くこと。2つ目は経済成長と物価の双方が押し上げられれば、国債の魅力が薄れるためだ。