中国は「世界の工場」かもしれないが、自動車の輸出大国だったことはない。だが、電気自動車(EV)で、中国はこの状況を変えることを狙っている。そして、事はうまく運んでいる。米EV大手テスラは先週、中国生産の「モデル3」について、欧州の一部の国向けに輸出を開始する方針を発表した。世界展開される独BMWの電動SUV(スポーツ用多目的車)「iX3」は中国の華晨汽車集団とBMWとの合弁会社で生産される。中国は2019年の自動車販売台数が2800万台と、世界最大の自動車市場だ。だが、昨年の輸出台数は100万台程度で、ほとんどが途上国向けだった。ほとんどの中国ブランドは先進国市場での認知度があまりなく、外国の自動車メーカーは、輸出向けではなく、中国国内市場向けの生産に中国工場を使っている。外国自動車メーカーが中国をEV生産拠点として利用し始めていることは、中国にとってよい兆しだ。
「世界のEV工場」の座狙う中国、チャンスはあるか
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