大手自動車メーカーは代替エネルギー技術の1つとして水素燃料電池の開発に数十年を費やしたが、これといった成果が出ていない。だがここにきて水素エネルギーを利用した大型電動トラックの量産化に向け、新たな動きが始まっている。燃料電池車(FCV)は水素と酸素を化学反応させて発電する仕組みで、走行時に排出するのは水蒸気のみだ。自動車メーカーは長距離を移動し、迅速に燃料補給する必要がある商用トラックにはとりわけ利点が大きいと話す。また再生可能エネルギーで動くトレーラートラックへの関心の高まりに応える狙いもある。欧州など世界各地の規制強化を受け、トラック輸送会社は排出量リスクに対応するため、ディーゼルトラックを代替エネルギー車に交換することを検討している。例えば、米カリフォルニア州に導入された新法は、商用トラックメーカーが2024年までに少なくとも一部をゼロエミッション車にするよう義務づけるものだ。