市場はしばしば政治を読み違える。だが、大統領選を巡り現実味のある3つの展開――トランプ勝利、バイデン勝利、そして長引く法廷闘争――が一晩のうちに全て織り込まれるのは珍しい。有権者がまたも世論調査をもてあそんだ格好となる中、投票日の夜にはまさにそうした現象が発生した。ある意味、市場はなすべきことをした。勝利の行方に関する見通しが変化するのに伴い、予想通りの方向に反応した。市場はなんと効率的なことか!ただ、値動きの大きさからうかがえるのは、民主党候補ジョー・バイデン前副大統領の勝利がほぼ確実との見方から、ドナルド・トランプ大統領の2期目がほぼ確定との見方に先物トレーダーの心理が大きく揺れ動き、ついには泥仕合をほぼ確実視するに至ったことだ。これぞ市場の狂気にほかならない!