独裁的な指向を
強める文在寅政権

 日本では、革新系の学生活動家によって設立された全共闘が、浅間山荘事件(1972年連合赤軍が人質を取って河合楽器の保養所に立てこもり、機動隊と対峙し、3人の死者、27人の重軽症者を出した事件)を引き起こし、活動が武装闘争を伴って過激化したことから急激に国民の支持を失い、活動がじり貧となっていた。そのため革新系に対する国民の支持は低い。

 しかし、韓国では今でも、文在寅氏のような革新系の人々が大統領となり国家を支配している。それは日本人にとっては不思議なことであろう。

 その背景として考えられえるのが、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領、全斗煥(チョン・ドファン)元大統領など軍出身の大統領が強権政治で民衆を弾圧してきた歴史があるからである。

 そしてこの独裁政権を倒したのが民主政治家であり、それに連なるものとして革新政治家が位置づけられている。したがって、文在寅政権がいかにその政治姿勢を批判されても、政策の失敗を繰り返しても、保守独裁政権よりはましだとの観念が韓国の一般大衆の中に残存しているためである。

 これはまた、理性よりも感性で物事を判断する韓国人の特性を示しているともいえ、同時に、韓国人が反体制を支持するという現実も物語っているのだろう。

 しかし、現在韓国で反体制を代表する人物が皮肉にも尹錫悦検事総長になってきているのではないか。文在寅政権はこれまでの保守政権と比べても引けを取らない独裁政権になっている。そして政権内のスキャンダルはとどまるところを知らない。それを政権が検察を掌握することでもみ消している。そうした中で必死の抵抗をしているのが尹検事総長なのである。