何より大切なのは、「自分で調べて自分で考える」こと

 大切なのは、他人の言うことを真に受けるのではなく、自分自身の経験と投資などから学び続けることなのだ。

 自分で事実を調べて判断する姿勢が身についていなければ、たとえまぐれで成功することはあっても、決して長続きしないだろう。

 もし、私がある企業の株を「10」の価格で買うように助言して、あなたが私の言うままにその株を買ったとしよう。それが「20」に値上がりしたとしたら、あなたは自分がどれだけ賢いかを自慢して回るだろう。

「俺が買った株が倍になったんだ」と言いながらも、その時は助言したジム・ロジャーズの名前は決して出さない。

 でも、しばらくしたら、あなたはその株をどうしたらいいか見当がつかなくなるはずだ。「10」で買う時の選択が正しかったとしても、自分で導き出して選択したわけではないので、「この先もっと買うべきか、それともここで売るべきなのか」という次の一手がわからなくなるのだ。

 そのうち誤った判断をして儲けを失うことになる。自分自身で調べて考えた結論ではないから、こうなるのは当然のことだろう。

 逆に、もし、私が言う通りに「10」で買ったものが、「5」に半減したとしたら、どうだろう。その時は損をしたと感じるので、「ジム・ロジャーズほど愚かな人はいない」と文句を言うだろう。

 でも文句を言っても、この場合も、ではその株をどうすればいいかがわからなくなる。その株について自分で考えていないからだ。

 おわかりだろうか。「ジム・ロジャーズが言っている」というだけで、成功することなどあり得ないのだ。

 従って、他人の言うことを聞くのではなく、自分で考えなくてはならない。これは投資に限ったことではない。人生全般について言えることだ。

(投資家 ジム・ロジャーズ)