米大統領選挙の接戦州では票集計が続いているが、ジョー・バイデン氏が次期大統領となる可能性が高くなっている。しかし、全米の選挙結果を詳しく分析すればするほど、民主党とりわけ進歩派の政策目標にとっては敗北のように見えてくる。バイデン氏は、新型コロナウイルスへの対応と自身がドナルド・トランプ氏ではないという点を除けば、選挙民から何の負託も受けないまま大統領に就任することになりそうだ。バイデン氏は全米の得票総数で勝利し、獲得選挙人の数でも僅差の勝利を収めるかもしれない。実質的には2016年のトランプ氏勝利の裏返しとなるだろう。つまりウィスコンシン、ミシガン両州に加え、もしかするとペンシルベニア、ジョージア、アリゾナの各州を辛うじて制するということだ。これらの州での票差は大きくない。いずれにせよ現職大統領を倒すことになり、それ自体は簡単なことではない。