新型コロナウイルス流行の第2波が新たな「量的緩和」の波を引き起こしている。だが、投資家は注目する必要はない。中央銀行による量的緩和策は投資家の意思決定の指針として当てにならなくなっている。英国イングランド地方でロックダウン(都市封鎖)が再導入された今月5日、同国中銀のイングランド銀行は国債買い入れ枠を1500億ポンド(約20兆円)増やすと発表した。他国の中銀も後に続くかもしれない。米国では先週の選挙の結果、政府が「ねじれ」状態に陥れば、財政刺激策の出番は減り、連邦準備制度理事会(FRB)が前面に出ることになるだろう。欧州中央銀行(ECB)は12月に追加緩和を実施する意向を示唆している。多くのアナリストにとって、追加供給された資金の行く先を考えるのは習慣になっている。アナリストによれば、追加供給された資金には行き場が必要で、多くの場合は株式市場に流れ込むという。また金融緩和は、通貨の価値を下げるとされている。