バイデン政権の誕生に伴い、米国ではホワイトハウスへと活躍の場を移すウォール街関係者の一団がにわかに生まれそうだ。だが、ジョー・バイデン氏を支えてきた金融業界の関係者は、大統領に直接助言できる立場にあったドナルド・トランプ氏の取り巻きほど親密な関係を築くことは難しそうだ。今年の大統領選では、ウォール街の献金先はバイデン氏に圧倒的に集中しており、これまでは勝ち馬への資金提供は、大統領執務室への何らかのアクセス手段を提供してきた。バイデン氏への大口献金家には、ヘッジファンド投資家のドナルド・サスマン氏、ジェームズ・シモンズ氏、投資銀行家のブレア・エフロン氏、ロジャー・アルトマン氏らが含まれる。内情に詳しい関係者によると、年金運用・金融サービスを手掛ける米TIAA-CREF(全米教職員保険年金協会・大学退職年金基金)のロジャー・ファーガソン最高経営責任者(CEO)は、閣僚ポストの候補に挙がっている。モルガン・スタンレー幹部のトム・ナイズ氏、元ヘッジファンドマネジャーで民主党の指名候補を争ったトム・スタイヤー氏もバイデン氏を支持しており、政権入りするか、政権に影響を与える存在になる可能性がある。
バイデン氏に賭けたウォール街、新政権にどう影響?
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