◇「取材」マインドでネタ探しをする

「書くことがない」と悩む人は、「自分のこと」を書こうとしているという共通点がある。書けないときに見つめるべきなのは自分の内側ではなく外側だ。自分の中に「何か」がなくても、他人のことやまわりのことについて発信することはできる。自らが「コンテンツメーカー」になろうとするのではなく、「メディア」として、「作家マインド」から「編集者マインド」に切り替えてみよう。編集者に必要なのは「誰かに伝えたい」という思いだけだ。人はみな自分の人生の「編集長」なのだから、自分が見つけたおもしろいことを自分のフィルターを通して伝えていってみよう。

 きれいな言葉で書くことにこだわろうとする人がいるが、内容がおもしろくなければどんなに文章がきれいでもおもしろくならない。中身がおもしろければ、たとえ多少日本語がおかしくても、届く文章になる。だからこそ、「取材」に力を入れる必要がある。取材といっても、特別な機材を使用する必要はない。「これは取材なんだ」という取材マインドを持って行動するだけで、普段なら気づかないようなことに気づいたり、普段なら入らない店選びをしたりするようになる。

 ネガティブな感情を感じたときは、発信のチャンスだ。ネガティブな感情をそのまま垂れ流してしまっては人に喜ばれるコンテンツにはならないが、ポジティブに転換して昇華してネタにしてしまうとよい。「不機嫌な上司がいてウザい!」と思ったら、「上司の機嫌がいいと職場の空気も良くなるよね」とポジティブに変換すれば、共感を生みやすくなる。ネガティブから始まるコンテンツは、「本音」だからこそ熱のこもったいいコンテンツになりうる。ポジティブに転換するだけで、価値のあるコンテンツにすることができるのだ。

 ネタがそろっていて思考も整理できているのに、それでも筆が止まってしまうのであれば、「自意識」が邪魔をしているのかもしれない。これに対する対処は、「いいから、書く」しかない。ありがたいことに、人は成功例だけを見てくれる。だから、スベったところで、世間的には「なかったこと」になる。失敗は消えてしまい、自分には学びが残る。だから、スベってもいいからとにかく発信しよう。初期の段階では「読まれない文章をいかに書けるか」が勝負だ。どんどん失敗して、学びと経験を得よう。

◇長い文章を書かなくてもいい

 著者にとっての「わかりやすい文章」の定義とは「読む速度と理解する速度が一致する文章」のことだ。読む速度に理解が追いつかないような難しい文章や、わかりきったことをくどくど書くような文章はわかりやすいとは言えない。