米大統領選で当選を確実にしたジョー・バイデン前副大統領は7日夜、選挙を終えた「今は米国の傷を癒やす時だ」と語った。われわれはその考えに沿って、建設的に前進するため、癒やしの政策課題とでも呼ぶべきいくつかの提言をしたいと思う。これらは政策の大きな譲歩ではないが、象徴的な政治的意義を持つだろう。バイデン氏は手始めに「貧民救済修道女会」への政府のハラスメント(嫌がらせ)に終止符を打つことができる。この修道女会は、医療保険制度改革法(オバマケア)の下では自分たちの保険がいや応なしに避妊や妊娠中絶薬にも適用されるとして10年間異議を唱えてきた。連邦最高裁は7月、修道女に宗教的な理由による適用除外を認めるトランプ政権のルールを支持した。だがバイデン氏はこの判決を批判し、「(2014年に最高裁が信仰上の理由による適用除外を認めた)ホビー・ロビー訴訟以前に存在したオバマ・バイデン時代の政策」を復活させると約束した。修道女の信仰を抑圧するこうした企てをやめても、オバマケアを脅かすことはない。逆に信仰心の厚い米国人に対して、バイデン氏は過熱する文化戦争を鎮めようとしているという重要なジェスチャーになるだろう。
【社説】バイデン氏の「傷を癒やす」政策とは
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