浅草の商店街新型コロナウイルスで大打撃を受けた経済を下支えするため、消費税の時限的な減税を訴える声がありますが、害の方が大きいといえます(写真はイメージです) Photo:PIXTA

消費減税は困っている人を助けず、不要な景気変動を引き起こすだけの愚策である。(経済評論家 塚崎公義)

不況対策に消費減税を主張する人も

 新型コロナ不況への対策として消費減税を主張する人が多いようだが、筆者はそれには強く反対である。菅首相も消費減税に否定的だと伝えられており、筆者はホッとしているところである。

 誤解のないように強調しておくと、筆者は消費税が好きではない。消費増税をするくらいなら他の税を増税すべきだと考えているし、長期的には消費税率を引き下げていくべきだ、とも考えている。

 しかし、その筆者が「新型コロナ不況への対策として消費税率を2年間だけ引き下げよう」という提案に反対しているわけである。理由は2つある。