『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が10万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
運を良くする方法はありますか? たくさん人と会って、たくさん行動して、過去にとらわれずに楽観的に生きることでしょうか?
幸福に対してガツガツしないこと
[読書猿の回答]
あります。幸田露伴が『努力論』(青空文庫でも読めます)というのを書いていますが、この中にある「幸福三説」に「惜福」と「分福」と「植福」というのが出てきます。
まず幸運がよく巡ってくる人は「惜福」がある人だと露伴は言います。
「福の惜しむ」というのは、幸福に対してケチケチすることではなしに、逆に幸福に対してガツガツしないこと。たまたま巡ってきた幸福を使い尽くさないで、天に預けておく。そうすると福(ラッキー)に巡り会う確率がアップするというです。
自分に回ってきた福を独り占めしないで、一部は人に分け与えるようにするのは「分福」です。この工夫で、より大きな福(ラッキー)が来ます。
最後に、幸運の女神が好むところを知り、女神が立ち寄る種をつくること、これが「福を植える」、すなわち「植福」です。