新型コロナウイルスの感染が収束した後、世界経済は2023年以降、巡航速度の経済成長に戻るとみられているが、日本は人口減少や高齢化でその例外になる可能性がある。
長期の潜在成長率が一段と低下し、現在の財政健全化計画は絵空事になり、金融緩和の有効性は半永久的に復活しない可能性がある。その事態に対応する準備が必要だ。
巡航速度の成長に戻っても
世界経済の「失われる28兆ドル」
先月、国際通貨基金(IMF)は、2025年までの世界経済見通しを発表した。それによると、世界経済の成長率は、まず2020年に-4.4%と大きく落ち込む。2021年は5.2%、2022年は4.2%と高いプラス成長になるが、2020~22年の3年間全体では平均わずか1.7%にとどまる。
そして、2022年末ごろにはコロナがおおむね収束するという前提の下で、2023年以降は3.5%程度の巡航速度に移るという見通しだ。