米民主党はかつて、財務長官のポストを金融界や財界の大物から選んでいた。民間資本市場を安心させるのが狙いだった。ジャック・ケネディ氏は金融界出身のダグラス・ディロン氏を、ジミー・カーター氏はベンディックス社のマイケル・ブルメンソール氏を起用した。民主党の大統領たちは近年、ワシントンでの経歴をもつ人物に傾いている。ジョー・バイデン氏が自身の政権の財務長官にジャネット・イエレン氏を指名すると23日に漏れ伝わったが、それもうなずける。イエレン氏は経済学者としての教育を受けたが、政治に関わる経済学者としての経験が豊富だ。直近ではオバマ政権2期目で連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めた。サンフランシスコ地区連銀やホワイトハウスの大統領経済諮問委員会(CEA)も率いた。申し分ない政治的な経歴だ。同氏は常に要点を心得ていることで定評がある。