『世界一受けたい授業』など多数のメディアで注目されている“HSP(Highly Sensitive Person)”をご存じでしょうか?「些細なことが気になって疲れてしまう」「真面目すぎる」など、個人の性格だと思われてきたものが、研究によって、実は「生まれつき繊細な人」が「5人に1人」の割合でいることがわかってきました。
発売から立て続けに重版し、累計10万部を突破したHSP専門カウンセラー・武田友紀氏の『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社刊)では、そんな生まれつきの気質を持つ「繊細さん」が、「繊細さん」だからこそ深く味わえる幸せに気づき、伸ばしていくコツを紹介しています。本記事では、同書より一部を公開します。
直感のなかみを「言語化」してみる
直感は、なんとなく「わかる」もの。
そこに根拠が“ない”からこそ「直感」なのですが、それでもあえて
・なぜいいと思ったのか
・どこをみて判断しているのか?
直感のなかみを言語化してみると、自分の価値観がわかります。
カウンセリングの現場で感じることですが、直感で「いい」と思うものには、その人の良さが反映されています。色に強みのある人は、服がグレートーンでもイヤリングがカラフルだったりします。隠していても、その人らしさは持ち物に──特に、小物など自由度の高い持ち物に──にじみ出ています。
ぬいぐるみでも手帳でも「かわいいなぁ~!」と思ったのであれば、自分にもかわいらしい面があるということですし、「繊細で美しいもの」に惹かれるのであれば、自分が繊細で美しいのです。
持ち物だけでなく、人間関係で使う直感にもその人自身が反映されています。
コンサルティング会社でマネージャーを務めるYさんは、誰にどのプロジェクトを担当させるか、誰と誰をチームにすると成果が上がるかが、直感でぱっとわかるといいます。メンバーのスキルや専門性はもちろん考慮に入れるけれど、スキルよりも「その人が、そのプロジェクトにカチッとはまる感じがするか」という言語化できない感覚のほうが大事だと。的確な人材配置でプロジェクトの評判もよく、Yさんのもとには口コミでクライアントが集まっています。
Yさんは、人材の採用も担当しています。どういう人と出会ったときにピンとくるのか尋ねてみたところ、「どんな現場にもはまれる柔軟な人」という答えが返ってきました。経営者とも現場の人とも話せて、専門知識を吸収しながらやっていける人が理想だというのですが、それはつまりYさん自身。
彼自身が「どんな現場にもはまれる柔軟な人」であり、様々な立場の関係者と柔軟にコミュニケーションをとれるから、的確な人材配置ができるのです。
直感で「いい!」と思ったものについて、なぜいいと思ったのか言語化してみると、自分という人間がわかります。
直感でピンときた相手は、自分と共通する素敵な一面を持っている人ですし、直感でいいなと思った物は、自分のいい部分を反映しています。直感でいいなと思ったものを身のまわりにおくことで、仕事でもプライベートでものびのびと動けて、自分の良さが引き出されます。
これを/この人をいいと思ったのは、なんでだろう? どこが好きなんだろう?
自分を知り、いいところを引き出す手段のひとつとして、直感の言語化はおすすめです。
(本原稿は『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』武田友紀著の抜粋です)