あなたがジョー・バイデン米次期大統領だったらと想像してほしい。就任早々待ち構えているのは、目も当てられないほどの政治の惨状だ。退任が迫っている現職大統領は、あなたの政権の正統性を切り崩そうとしている。上院の主導権をどちらの政党が握るのかは、ジョージア州で1月に実施される2つの決選投票が終わるまで分からない。決選投票の結果にかかわらず、議会はほぼ党派でほぼ真っ二つに割れている。身内の民主党は今年の選挙で下院の議席数を減らしてしまった。この分断された状況において、希望を持って異質な断片を一つに結束させることができる問題――もしくは取り組み――はあるのだろうか?答えは「インフラ」の一語に限る。そう、地味なインフラだ。道路、橋、空港、地下鉄、ブロードバンド通信網、風車、(太陽光発電と農場を組み合わせた)ソーラーファーム。こうしたインフラの整備は政界の膠着(こうちゃく)状態を打開する手段になり得るかもしれない。それに、依然として物事を成し遂げることは可能だと実証できるかもしれない。ドラマチックではない。だが、われわれは皆、政治ドラマにうんざりしているはずだ。