コリス・ワグナーさん(44)は大学時代、車を購入する代わりに自家用機のパイロット免許を取得した。金融危機期に工業技術者の職を失い、ワグナーさんは持てる時間を全て趣味に費やした。数年かけて飛行時間を積み重ね、地域航空会社でパイロットの職を得た。昨年、アメリカン航空に引き抜かれ、そこでエンブラエルの小型ジェット機「E190」の操縦を任された。現在、ワグナーさんは米オハイオ州デイトン近郊でトラックを運転している。10月に一時帰休を命じられたためだ。航空会社の制帽は寝室の引き出しにしまってある。「私が本物のパイロットだった証しだから」とワグナーさんは言う。新型コロナウイルスの大流行で、航空会社のパイロットほど生活が激変した職種は他にほとんどない。航空業界で最も権威があり、かつ高報酬のキャリアへの道はもう以前ほど確かなものではなくなった。
コロナ禍の航空業界、パイロットも泣く泣く転職
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