中国の家計債務が今年前半に約3800億ドル(約40兆円)増と膨れ上がっている。国際決済銀行(BIS)の新たなデータで分かった。増加幅は中国に次いで家計債務残高が多い米国の約4倍に上り、家計債務は中国にとって最大の経済的弱点の一つとなっている。中国では今年、工業生産と輸出が経済回復の原動力となっていると広く伝えられている。だが回復を担うもう片方の柱は継続する不動産投資の急増であり、今年も国内総生産(GDP)の伸びを上回る勢いだ(過去17年のうち16年で上回っている)。ほとんどの国で今年は金利が大幅に低下したが、中国人民銀行(中央銀行)はこのトレンドに背いている。このため、米国の借り手は不動産ローンを借り換えることができたが、中国の借り手は返済コストがほぼ変わらないことになる。