借金玉(しゃっきんだま)
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。
幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。
卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。
飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)がある。
Twitter:@syakkin_dama
note:https://note.com/syakkindama

「できない」のその先を書きました

 障害を抱えて苦しんでる人に、何の具体性もなく「頑張れ」というのは、サバンナに放り出されたコアラに全力ダッシュでインパラを狩れって話ですよね。本書はそういう内容にならないよう心掛けました。意識の高い自己啓発書みたいに「インパラは首が弱点」とかは書いてないので安心してください。どの項目も必ず「あたりまえのことはできないのが前提」で、その先に何をすればいいかを書いています。さらに、本当に使ってもらえる本にするため、次の3つの工夫をしています。

【工夫①】「やる理由」が書いてある
 僕も含め、発達障害傾向のある方は「とりあえずやって」といわれるのがとても苦手だと思います。僕自身、丸暗記がダメで、何事もメタ的に理解しないと、行動できません。それに、「とりあえずやって」のハックだけを読んで一度はわかった気になっても、自分で応用できません。やる理由、背景となる思想を知って、ぜひ自分なりに実践してみてください。

【工夫②】「イラスト」でひと目でわかる
ハックの内容を感覚的につかめるよう、すべての項目にイラストをつけました。長い文章を読むのが苦手な方、お子さんと一緒に読む方にも少し助けになったらうれしいです。

【工夫③】「具体的なグッズ」も紹介!
 本の中に出てくる商品のうち、具体的に「これを買った方がいい」というものは、写真をつけて解説しています。さらに、巻末に「借金玉愛用品」として僕が使っているグッズ一覧と、商品名を全て掲載しました。「どれを買ったらいいかな」と悩んだときの参考にしてみてください。