「43歳、会社でも“無能”よばわり」。
そんな人生を変えた、たった一言とは?

そんな相談者にすすめたのが、全世界45言語に翻訳され、世界600万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「43歳、会社でも“無能”よばわり」。そんな人生を変えた、たった一言とは?Photo: Adobe Stock

「会社で“無能”よばわり」を変えた一言

 過去に、こんな相談を受けたことがあった。

「43歳です。人の意見に流されやすくて、同僚や上司の仕事をたくさん受けてしまって、気づけば毎日、残業つづき。頑張っているのに、陰で『無能』と言われて傷つきました。自分の軸が見つかりません」

 相談者は真面目な人だった。
 頼まれたら断れない。期待されたら応えたい。迷惑をかけたくない。
 そんな思いから、人の仕事まで引き受けてしまう。

 しかし、その結果として仕事は増え続け、自分の仕事は後回しになる

 そして周囲からは、「あの人は仕事が遅い」「要領が悪い」「無能だ」と言われてしまう。
 なんとも理不尽な話である。

 しかし私は、この相談を聞いて『世界の果てのカフェ』の一節を思い出した。

無能なのではなく、「自分」がない

 相談者の話を聞いていて思った。
 この人は無能なのではない。
 むしろ真面目で、責任感も強い。
 問題は別のところにある。

 それは、「自分が何を大切にしているのか分からない」ということだ。

 自分の軸がないと、人は他人の期待を軸に生き始める。

 上司の期待。同僚の期待。取引先の期待。家族の期待。
 すると、自分の時間はどんどん失われていく

人生を変える質問がある

世界の果てのカフェ』には、こんな言葉が出てくる。

あなたが「あなたはなぜここにいるのか?」という質問を本気で自分に問いかければ、答えを探すことがあなたという人間の一部になるの。朝一番にこの質問を考えながら目を覚まし、日中もずっと頭をよぎるようになるわ。覚えていなくても、眠っているときもずっと質問のことを考えるようになるのよ。
――『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』より

 この問いは強烈だ。
 なぜなら、この質問には正解がないからである。
 しかし同時に、この質問には人生を変える力がある

 多くの人は、「上司は何を求めているか」「会社は何を求めているか」ばかり考えている。

 しかし、「自分はなぜここにいるのか」を考える人は少ない。

一度開いた門は閉じられない

 作中では、この問いを「門」にたとえている。

門みたいなものね。その門を開くと、その人を招き入れてしまうの。いったん開けたら、閉めるのはとても難しいわ。
――『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』より

 そして、さらにこう続く。

問うことで、いわゆる『門』が開くの。すると、その人の『心』や『魂』……。呼び方は何でもかまわないけれど、とにかく自分の内面が、答えを見つけ出そうとする。答えが見つかるまでは、この問いが人生の何よりも優先されるのよ。
――『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』より

 私はこの表現が好きだ。
 人生を変える人は、能力が高い人ではない。
 資格を取った人でもない。
 たった一つの問いを、自分に投げ続けた人だ
 その問いが、少しずつ人生の方向を変えていく。

人生を変えた、たった一言

 相談者に私はこう伝えた。

「無能かどうかを考える前に、『自分はなぜここにいるのか』を考えてみましょう」

 人の期待に応える人生には終わりがない。
 誰かを満足させても、次の誰かが現れる。
 しかし、自分の存在理由を見つけた人は違う

 断るべき仕事が分かる。受けるべき仕事が分かる。時間の使い方が変わる。人生の優先順位が変わる。
 無能と呼ばれて傷ついている人に必要なのは、スキルアップではない。

 もっと残業することでもない。もっと頑張ることでもない。
 必要なのは、「自分はなぜここにいるのか?」という問いなのである

 その問いに向き合い始めた瞬間から、人は他人の人生ではなく、自分の人生を生き始めるのだから。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)