2010年秋に米国ニューヨーク州ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクウェアの中心に旗艦店をオープンさせた。

「来店した子どもの夢が消えぬ間に」子どもたちに夢を与えるこのチェーンストアでは、多くの幼い女の子たちが店内のキャラクター衣装のコーナーで夢をふくまらせる。

 同社のタイムズスクウェア旗艦店では、いち早く子どものエキスペリエンスを高めさせるために、キャラクターに「なりきる」ためのある仕組みを導入した。

 女の子が魔法のスティックを、鏡の前で振りかざす。この棒にはRF-IDが組み込まれており、鏡の前でそれを振りかざすとセンサーが反応して、鏡にはキャラクターに変身した自身の姿が映り、いかにもその主人公になりきった感覚を与えるのだ。少女は今度は、キャラクターの衣装を親に試着させてもらい、再び鏡の前に立つ。そして興奮した顔で、親に「買って」とねだる。

 すると多くの親は衣装を買うことになってしまい、今試着しているドレスを一旦脱がせて、その商品を持ってレジに並ぶ。しかし、レジは混んでいて、待っている間に心多き子どもは目移りし、他の商品のほうが欲しくなってしまう……。

 そこでこの旗艦店は、オラクルおよびそのパートナー企業と組んでプロジェクトを立ち上げた。

 従業員にバーコード・スキャナーとクレジットカードリーダーを装着したスマートフォンを持たせ、接客の場でチェックアウトできる環境を整えたのだ。

 女の子が試着したまま、その場でスマートフォンのスキャナーでバーコードを読み取り、クレジットカードを読み込んでチェックアウトが完了する。レシートは従業員の腰にぶら下げたブルートゥースに接続された小型プリンターから印刷される仕組みだ。

 着たまま、かつレジに並ばないこのシームレスなシチュエーションは、女の子の「なりきり体験」の夢が覚めないまま、楽しんでもらったままお帰りいただくという、まさに感動体験そのものである。

 このように、顧客に「わぉ!」と感じてもらう仕組みや仕掛けをいかに実現していくか。カスタマー・エキスペリエンス戦略はオムニチャネル時代の成功の鍵となる。