新型コロナウイルスのワクチンの完成を受けて、米国の大規模業界は保健当局や州政府幹部に対し、従業員の優先接種を競うように訴えている。食品、飲食、航空、公益事業の各業界の幹部はそれぞれの従業員について、経済の維持に欠かせず、感染リスクが高いと主張、優先接種を求めている。米疾病対策センター(CDC)は最優先の接種対象についてガイダンスを出しているが、決定権は州知事にある。つまり優先順位は州によって大きく異なる可能性がある。最初にワクチン接種を受けるのは、医療従事者と長期介護施設の入居者になる見込み。企業が注視しているのは、医療従事者などに続く接種対象者――連邦政府の実施計画では「1B」グループと呼ばれている――の中での自社の従業員の優先順位だ。このグループには基本的なサービスの維持に欠かせないエッセンシャルワーカー(必須労働者)が含まれており、食料品店のレジ係、バスの運転手、教員、公益事業の作業員など幅広い職業がカバーされている。