ジョー・バイデン次期米大統領は当面、問題が尽きない中国との関係を引き継ぐことになる。この数年にわたり――そして2020年も一段と――緊張の種を目にしてきた。追加関税や制限措置の強化、ビザ(査証)取り消し、学生・学術交流の減少、激しい言葉の応酬などだ。確かに、新政権は新たな政策を打ち出せるが、対立するイデオロギーや非常に異なる経済・政治制度を持つ大国と米国が関係する上で土台となるのは競争である。だが競争を有害なものとせず、健全に保つことは極めて重要だ。熾烈(しれつ)で消耗するような競争を繰り広げ、米中が貿易や投資、テクノロジーのあらゆる流れを抑え込むようであれば、それはほぼ不可能になるだろう。中国との経済関係から恩恵を受けないとの考えは捨て去るべきだ。このように言うのは愛国心がないからではない。世界で最も急成長する主要経済国である中国との関係がもっとバランスのとれたものになれば、わが国の労働者や農業従事者は今よりもはるかに恩恵を受ける可能性がある。世界の2大経済国として米中が経済成長を回復させる道を見いだすことは、米中の国民ひいては世界全体を利することになる。
ポールソン元米財務長官:米中関係どう修復するか
コロナ禍を克服し経済を立て直せれば、中国が何をしようと米国は世界の覇権国に
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