交渉上手Photo:PIXTA

交渉は勝ち負けよりも、互いにウィン・ウィンの合意形成ができれば、それに越したことはない。そのためには「第三の解決法」を相手に提示することが有効だ。このたび新著『交渉上手』を上梓した弁護士の嵩原安三郎氏が、互いに納得のいく交渉のまとめ方について解説する。

「第三の解決法」で突破口を開く

 交渉は「勝ち負け」ではなく、互いに「ウィン・ウィン」の合意形成をすること。

 とくに交渉相手と良好な関係を築き、持続させたい場合には、この前提意識を持つことが重要です。

 では、どうしたら「ウィン・ウィン」に持っていけるでしょうか。それは、「第三の解決策」を提示することです。

 平行線になりそうな相手と「ウィン・ウィン」の関係になることは難しい。正攻法で相手を説得し理解を得ることを目指す「正面開門型」は通用しません。だから、そういうときはまず「第三の解決法を提示する」ことを考えます。

 私が実際に相談を受けた実例を元に説明しましょう。