ジョー・バイデン次期米大統領が国防長官に指名したロイド・オースティン元陸軍大将が議会で承認されれば、同氏は黒人初の国防長官になるほか、退役したばかりの軍人が同省を率いる3度目のケースとなる。文民統制(シビリアンコントロール)の伝統を守る目的で、軍人は退役後7年経過しなければ文官トップに就けないと法で定められている。オースティン氏は退役から4年しかたっていないため、まずは上下両院がこの適用除外を決めなければならない。その後、上院で承認の採決が実施されることになる。またオースティン氏は過去に指揮した軍事作戦について公での発言を避けてきたこともあり、「見えない大将」とも呼ばれる。そのため議員らは国防長官として同氏が打ち出すであろう政策について、公聴会まではごくわずかな情報しか得ることができない。