金相場は記録的な上昇を演じて2020年を終えた。この先に待ち受けるのは、世界経済の回復の勢いから米ドルの健全性に至るまで、一握りの予測不能な力学の影響だ。中心限月となっている2月限の金先物は12月31日、1トロイオンス=1895.10ドルで取引を終了。年間では25%近く上昇し、2010年以来の好調な年となった。年間上昇率はS&P500種指数(約16%)を上回った。金相場は20年に入り急騰し、8月に過去最高値の2069.50ドルを記録したが、その後は世界経済の回復兆候を受けて押し戻されていた。景気見通しが上向くにつれ、2021年の上昇がより小幅になると予想する投資家も出ている。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、11月6日から12月18日にかけて金連動型ETF(上場投資信託)からは100億ドル(約1兆円)超の資金が流出し、それまでの記録的な流入から際立つ反転となった。