新型コロナウイルスのワクチン接種を巡って米国の現代史において最も大掛かりなキャンペーンが始まってから3週間になるが、これまでに接種を受けた人の数は当局の目標を大きく下回っている。接種のプロセスが想定していたほど円滑には進んでおらず、多くの州で混乱が起きているためだ。連邦政府は2020年末までに新型コロナのワクチンを2000万人に接種するという方針を示していた。しかし政府のデータによると、これまでにモデルナ製とファイザー・ビオンテック連合製を合わせて1200万回分以上のワクチンが出荷されたが、このうち投与されたのは280万回分にとどまる。政府関係者や衛生専門家は目標未達の理由の1つとして、新たなツールを使ったデータの報告に遅れが生じたことを挙げている。しかしワクチン配布後の具体的なプロセスは州政府任せで、意思決定を地方の保健局や病院に押し付けている州もあり、スムーズに接種が進んでいるとは言い難い。