米アップルは結果的に、パソコン「Mac(マック)」の刷新に完璧なタイミングを選んだようだ。初の自社開発プロセッサーを搭載したマックの新製品群は11月中旬に発売された。アップルは新製品に強い自信を持ち、インテルの半導体を搭載した旧型モデルをオンラインストアから取り下げた。それは決して小さな賭けではなかった。インテルの半導体は2006年からマックの中枢部品となってきた。アップルの新たな自社開発プロセッサーは、英半導体開発大手アーム・ホールディングスの技術を基盤とする全く異なるチップアーキテクチャーを用いている。このアーキテクチャーはマックに搭載されるまで、パソコン向けとしては不人気だった。マックは飛ぶように売れているとみられ、パソコン販売全体で最も好調な一角となっている。調査会社ガートナーとIDCが11日公表した販売データによると、マックの販売台数は10-12月期(アップル会計年度の第1四半期)に過去最高を記録した。IDCの推計では、販売台数は前年同期比49%増の約730万台に達した。一方、ガートナーは31%増の約690万台と推計している。アップルは2018年会計年度末をもって端末の販売台数公表を停止した。それ以前でマックの販売台数が最高だったのは15年7-9月期で、570万台となっていた。