「昨春聞かれたのは、日中子どもが家にいるので夜仕事をしていたら、上司から『なんで日中サボっているんだ』ととがめられたり、夜にシステムにログインしていると『残業代目当てではないか』と疑われたり。9時~17時で働く価値観をテレワークに適用するのは難しく、今後は労働時間ベースから成果ベースに変える必要があります」(熊谷氏)

働いた時間や態度で評価するのは
2021年で終わりにすべきか?

 部下も上司に発信する情報を工夫すると、過度に監視されたり、業務報告を求められたりということを回避できるかもしれない。

「これまでは『今日やったこと』を報告するケースが多かったかもしれません。テレワークでは『いつまでにこれをやります』と、自分でタスクとゴールを発信し、達成状況を報告するのがよいでしょう。評価基準をタスクの達成状況に変えることで、上司からその都度報告を求められることも減るのではないでしょうか」(熊谷氏)

 熊谷氏によれば「今は時間や頑張りが評価された昭和的なやり方から脱却する時期」であり、部下もそれを発信していかなければならないという。

 最後に、自身も社員をマネジメントする立場である大谷氏は、テレワーク時代の上司のあり方をこう考える。

「私たち40~50代は、今までの“当たり前”を変えなければいけませんよね。時間中心の管理や頑張り・態度を評価する文化、あるいは『俺の背中を見て育て』というやり方は、テレワークでは通用しません」

 さらに、この時期は人事異動も増える。昨年のテレワークは、今までリアルで築いた“関係貯金”があったため、オンラインでもスムーズにやり取りができたかもしれない。しかし、新しく知り合った人とオンラインでゼロから関係を築くのは簡単ではない。新人をチームに溶け込ませる、上司と部下が良い関係を作れるかが大きなカギになる。

 その意味で、大谷氏は「私たちの年代は、かわいげのあるおじさん、おばさんにならないといけないのかも」と笑顔を見せる。

「オンラインで始まる関係だからこそ、社員が気軽に相談できる雰囲気をどう作れるかが重要。一方で、頻繁に報告させるなど、社員の重荷になるのもいけません。社員が自分のペースで働く時間やスタイルを選びながら、困ったときは気軽に相談できる。そのフランクさを作るのが上司の仕事になると思います」

 一般的な働き方となりつつあるテレワーク。今後もこの流れは止まらないだろう。その中でみんなが気持ちよく働けるよう、それぞれの立場で工夫していくことが大切かもしれない。