中国は米国とのこじれた関係を立て直すため、外交担当トップを派遣してジョー・バイデン米大統領の側近らとの高官級会合にこぎつけ、首脳会談を実現させたい考えだ。内情に詳しい関係者が明らかにした。中国は12月から、楊潔チ(よう・けつち、ヤン・チエチー)共産党政治局員をワシントンに派遣することを提言していた。習近平国家主席がバイデン氏の大統領選勝利に祝意を表してからまもなくのことで、崔天凱駐米大使が書簡を送ったほか、代理人を通じて打診していた。中国は楊氏を通じてトランプ前政権時代とは異なるメッセージを米政府に伝えようとしている。前政権では貿易問題が優先事項だったが、バイデン氏は気候変動と新型コロナウイルス禍を最重要課題に据えており、楊氏もこうした問題に焦点を当てるほか、バイデン氏と習氏の初会談実現のための地ならしも進めたい考えだ。