ジョー・バイデン米大統領は、近く始まるドナルド・トランプ前大統領の弾劾裁判とは距離を置き、巻き込まれないよう腐心している。自身の野心的な政策課題を早期に実現させたいとの欲求と、前任を罰すべきだとする民主党内の要求との間で、難しいかじ取りを迫られている。バイデン氏は、一刻も早く弾劾裁判を開始すべきと唱える一部民主党議員と矛盾する立場を示している。また、トランプ氏について1月6日の議会占拠事件を扇動したとしながらも、有罪評決を受けるべきかどうかについては明言を避けている。今週はCNNに対し、弾劾裁判は「行われる必要がある」としながらも、有罪評決を下すのに必要な賛成票を共和党から得られるかについては懐疑的な見方を示した。この発言は、前大統領の弾劾裁判を開く権限が上院にあるのかを問う動議で、共和党議員45人が「違憲」との判断を示す前日のことだ。