世界経済にとっての1世紀に一度の脅威は変異しつつあるーーまさに文字通りに。新型コロナウイルスの変異種は、英国、南アフリカ、ブラジルで最初に特定された後、拡散し続けている。これまでより悪性で、致死率が高い可能性もあるこの変異種は、ワクチンの登場で広範な経済回復の期待が高まったのと同時期に起こった。新たに登場した変異ウイルスは、2つの面で脅威となる。1つ目は、感染リスクの高まりに応じて行動規制が強まる可能性があり、それによって一部諸国の経済がリセッション(景気後退)に逆戻りしてしまうというものだ。感染力の強い変異種の1つが広範囲に拡散した英国では、1月5日に全面的ロックダウン(都市封鎖)が再導入された。昨年に10%縮小した同国経済は、現在再び縮小している可能性が高い。国際通貨基金(IMF)は26日、英国の今年の成長率見通しを、昨年10月時点で予想した5.9%から、4.5%へと下方修正した。 IMF金融資本市場局のトビアス・エイドリアン局長は、感染力の強いウイルスの拡散が経済回復にとって「真の逆風」になると述べた。
新型コロナ変異種、経済回復を大幅に遅らせる恐れ
感染力・致死性高い変異ウイルス拡散で規制のさらなる強化やワクチン再接種の可能性も
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